法令・ガイドラインとの対照表
SITU を導入するお店・施設・自治体が、社内や庁内で確かめる時のための表です。法令やガイドラインの項目ごとに、SITU の仕組みとして入っていることと、導入する側の運用ですることを分けて並べました。
個人情報保護法
個人情報の保護に関する法律(e-Gov。2026年10月1日施行の版)/個人情報保護委員会「ガイドライン(通則編)」「Q&A」。お店・企業が導入する場合(個人情報取扱事業者の義務)。
前提:顔をぼかしても、服装・場所・時刻などから人が分かりうるので、SITU は写真を「個人情報になりうるもの」として扱います。すぐ消す画像も含めて、「個人情報は扱わない」とは言いません(Q&A 1-16)。人数や通過人数などの数と、人を影の形に置き換えた絵は、元の写真と結びつけずに扱います(Q&A 1-12)。
| 条 | 求めていること | SITU の作り | 導入する側がすること |
|---|---|---|---|
| 17条利用目的の特定 | 目的をできる限り特定する。分析することも目的に含める | 掲示のひな形に目的の例。SITU は、お願いとして決めたことだけを行う | 目的を決めて書く |
| 18条目的による制限 | 目的の範囲を超えて扱わない。防犯で撮った画像を商業目的に使うには事前の同意(Q&A 1-15) | お願い(ルール)にないことは動かない。既にある防犯カメラの映像は、今は使わない | お願いを目的の範囲で作る |
| 19条不適正な利用の禁止 | 違法・不当な行為を助長しない | 顔認証・人探し・常連の見分け・スタッフの見張りの機能を持たない | 差別につながる使い方をしない |
| 20条適正な取得 | 写されていると本人が気づけない時は、気づける措置をとる(Q&A 1-13) | 置いたスマホの画面に目の顔を出す。マイクを使う間は iPhone のオレンジの点が出る。掲示のひな形 | 見える所に掲示する |
| 21条取得時の通知・公表 | 目的を通知するか公表する | このページ(公表の受け皿)と、QR つきの掲示のひな形 | 掲示と、自分のサイトなどでの公表 |
| 22条消去 | 要らなくなったら遅滞なく消す(Q&A 5-4) | スマホには写真を残さない。ぼかした写真はサーバーで期間が来たら自動で消える(毎分の写真は7日、判断に使った写真は30日。どのお店も同じ) | — |
| 23・24条安全管理・従業者 | 漏えいを防ぐ措置。従業者の監督(Q&A 10-8) | スマホが盗まれても写真は出ない。保存は日本(東京リージョン)。ログインはメールのリンクで、パスワードを持たない。お店ごとの権限。誰がいつ写真を見たかを記録 | 画面に入れる人を絞る。辞めた人を外す。スタッフに使い方を伝える |
| 25条・30条の3委託先 | 委託先を監督する。委託先は、委託された仕事に必要な範囲を超えて扱わない(30条の3 は令和8年改正で新設) | 預かった写真を SITU 自身の目的(AI の学習・評価・宣伝)に使わない。開発と評価は、自分たちの端末と作った画像で行う | 任せる前に、このページで扱いを確かめる。契約で、目的の外に使わないこと・事故の時の報告・終わった時のデータの消去を決める |
| 26条漏えい等の報告 | 決められた事態で委員会へ報告し、本人へ通知する | 漏えいなどが起きた時は、導入する側と一緒に、委員会への報告と本人への通知を行う | SITU と一緒に対応する |
| 27条第三者提供 | 原則として本人の同意。委託に伴う提供は第三者に当たらない | 写真を売らない・ほかの会社へ出さない。知らせ(メール・Slack など)は、お店が登録した宛先にだけ送る | 知らせの宛先を選ぶ。写真の枠が要らなければ外す |
| 28条外国にある第三者 | 外国の事業者へ出す時の扱い(委託でも。Q&A 12-1・12-8) | AI(Google の Gemini API)には、判断が要る時と、お店の人がお願いや場所を設定する時だけ、顔をぼかした写真を送る。判断に送った写真は、そのたびに記録する。有償の契約で使い、送った写真や文は Google の製品の改善(学習)に使われない(Gemini API の追加規約・データ処理の約束)。処理する場所は日本に限らない | — |
| クラウドQ&A 7-53 | クラウド事業者が中身を扱わない契約なら、提供にも委託にも当たらない | 保存は Amazon Web Services(東京リージョン)。AWS は中身を扱わない | — |
| 32〜35・40条公表・開示・苦情 | 事業者名・手続きなどの公表。開示・利用停止の請求。苦情の処理 | 写真は場所と時刻でしか引けず、人で探す仕組みが無い(Q&A 1-41)。消してほしい時は、場所と時間ごとに消せる。問い合わせは運営(株式会社プラプラ)でも問い合わせフォームで受ける | 最初の窓口になる |
| 21条の2・35条顔特徴データ(令和8年改正) | 顔の特徴のデータ(特定生体個人情報)を扱う時は、前もって周知する。本人は利用停止を求められる | 顔の特徴のデータを作らない。顔はぼかすために位置を探すだけ | — |
自治体が導入する場合
個人情報の保護に関する法律 第5章(行政機関等の義務等)。上の表との違いだけ。
| 条 | 求めていること | SITU の作り | 自治体がすること |
|---|---|---|---|
| 61条保有の制限 | 法令(条例を含む)で決まっている仕事に必要な範囲でだけ持つ。利用目的をできる限り特定する | 目的ごとに使い方(お願い)を分けて作れる | どの仕事(道路や公園の管理・観光の案内・防災など)のために写すかを決め、その範囲で利用目的を書く |
| 66・67条安全管理・従事者 | 委託を受けた者にも安全管理を準用する | SITU は委託先として同じ水準の措置をとる(上の 23・24条)。運営の閲覧も記録に残る | 任せる前に、この表と詳細のページ・セキュリティの説明で安全管理の中身を確かめる。契約に、再委託の扱い・事故の時の報告・終わった時のデータの消去・報告を求められることを入れる |
| 69条利用・提供の制限 | 目的の外の利用・提供は原則しない | 上の 18条・30条の3 と同じ | — |
| 71条外国にある第三者 | 28条と同じ形 | 上の 28条と同じ | — |
| 条例・調達 | 公共空間を写す時の条例(ガイドブック p28 注31)。調達の書類 | この表・詳細のページ・セキュリティの説明をお渡しする | 条例と調達の要件を確かめる |
カメラ画像利活用ガイドブック ver3.0
経済産業省・総務省(IoT 推進コンソーシアム)、2022年3月。番号は配慮事項の番号、ページは本文の番号。
近い例:屋外の人数の計測(ケース4)、駅の構内の滞留の把握(ケース6:人をアイコンに置き換えて配信し、過去の分は上書きで消す)、線を基準に入った・出た人数を数える例(p14 注15)。SITU の人数・通過人数・店の外に見せる影の絵は、これらと同じ扱いです。例より重いのは、顔をぼかした写真を期間つきで残し、時間をあけた2枚で「まだいるか」を確かめるところです(例では画像を速やかに消す)。
| 配慮事項 | 求めていること | SITU の作り | 導入する側がすること |
|---|---|---|---|
| ① a運用実施主体 | 主体を明確にし、責任を負う(委託しても委託元) | 掲示とページで「運営:お店/仕組み:SITU」と分けて書く | 主体として名前を出す |
| ① c・d・f正当性・必要性・最小限 | 受忍限度を超えない。台数・範囲・データ・期間・見る人を必要な分に | 見る場所(ゾーン)と線で範囲を絞れる。スマホに写真を残さない。期間で消える。見られるのはお店の人だけ | 写す範囲を必要な所に絞る |
| ① l取得が一目瞭然 | 撮っていると一目で分かるように | 置いたスマホの画面に目の顔。隠して置く作りではない | 掲示 |
| ① m・⑥一元的な連絡先 | 窓口を設けて公表する | 運営(株式会社プラプラ)の問い合わせフォームを公表 | 最初の窓口になる |
| ⑤・㉒・㉕わかりやすい表現 | イラスト・多言語など | かんたん版のページ(図つき) | — |
| ⑫従業員が写る | 従業員にも配慮。強制にならないように | スタッフを見張る使い方は受けない | スタッフにも説明する |
| ⑯ライフサイクル・責任主体 | 取得から破棄までと、主体を明確に | 詳細のページの表 | — |
| ⑰リスク分析・海外クラウド | SaaS を事前に確かめる。海外の画像処理 API は法 28条に当たりうる(注40) | 上の 28条の行 | このページで確かめる |
| ⑳事前告知 | 始める前に十分な期間をもって知らせる | 掲示のひな形 | 置く前に貼る・知らせる |
| ㉓・㉔通知 | 現場で必ず書く4つ(目的・設置場所と取得の期間・主体と連絡先・詳細の URL / QR)。ほかは Web でよい(p39〜40) | 4つを入れた掲示のひな形と、このページ | 掲示する |
| ㉖画像の破棄 | 必要なデータを作ったら速やかに破棄 | 生の映像はすぐ捨てる。顔をぼかした写真は、決まった期間だけ残す(ガイドブックの例より長い。「まだいるか」の確認と、報告の写真に使うため) | 写す範囲を必要な所に絞る |
| ㉗処理したデータ | 統計は個人を識別できない形で | 人数・通過人数・音の大きさは数だけ | — |
| ㉘・㉙安全管理・アクセス権・期間 | エッジの盗難にも配慮。アクセス権と保存期間を決める | スマホに写真を残さない。お店ごとの権限。期間で消える | 画面に入れる人を絞る |
| ㉛開示等の請求 | 保有個人データでなくても、実際の扱いを説明する | 詳細のページ | 問い合わせに答える |
| ㉜・㉞契約・漏えい | 条件を契約に。漏えい時の報告と公表 | 扱いの条件は導入の時の契約で定める。漏えいの時は上の 26条の行 | — |
| ㉝・㉟・㊱変更と見直し | 条件を変える時は前もって知らせる。定期的・事故の時に見直す | 作りを変えたら、このページを先に直して日付を残す | 掲示を直す |
AI 事業者ガイドライン 第1.2版
総務省・経済産業省、2026年3月31日。SITU は「AI 提供者」。第1.2版で加わったフィジカル AI(センサーで現実の環境を取り込み、判断して、現実に働きかける AI)にあたる使い方です。
| 項目 | 求めていること | SITU の作り | 導入する側がすること |
|---|---|---|---|
| センシング別添 p20 | カメラ・音声で個人情報を取る時は、目的の通知・公表。必要性・相当性を欠く保存や解析は肖像権などのリスク | 上の個人情報保護法・ガイドブックの表 | 掲示と公表 |
| フィジカル AI のプライバシー別添 p145 脚注120 | 要らない情報を取らない・残さない仕組み。機器を捨てる時は機器とクラウドのデータを消す | スマホに写真を残さない。録音の機能が無い。写真は期間で消える。置くのをやめる時は、そのスマホが SITU につながれないようにする | 使わなくなったスマホを返す・初期化する |
| 安全性・人の関与共通の指針 2)・別添 p138〜139 | 人がコントロールできる。適切な時に人の判断を挟む。止められる | 「こう理解しました」の確認 → お試し → 本番の切り替えは人が行う。声の回数と間隔に上限。お願いはいつでも止められ、スマホを SITU から切り離せる | 本番にする前にお試しで見る |
| 公平性共通の指針 3) | 判断の偏りに気を配る | 性別や年齢を推し量らない。AI の答えは「はい / いいえ」と理由だけ | — |
| プライバシー・バイ・デザイン共通の指針 4)・P-4) | 仕組みとして守る | スマホの中でぼかす。ぼかしは切れない。人の検出が動かなかった写真は外へ出さない | — |
| 透明性共通の指針 6) | 判断の記録。AI を使っている事実と範囲・限界を伝える | AI の判断と理由をすべて記録し、お店の人の報告で見られる。このページ | — |
| アカウンタビリティ共通の指針 7)・P-7) | 責任の分担を契約に。誤りの指摘の窓口。規約とプライバシーポリシー | 責任の分担は導入の時の契約で定める。誤りの指摘は運営でも受ける。このページを公開 | — |
| 学習データの方針P-6) ii | 学習データの集め方を示す | 預かった写真を AI の学習に使わない | — |
| 攻撃への備え別添 p19 | 入力の経路が増えることによるリスク | AI の答えを「はい / いいえ」に絞る。話す文は前もって決めたものだけ | — |
出典
- 個人情報の保護に関する法律(e-Gov 法令検索)
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関する Q&A(令和7年7月1日版)
- 令和8年改正個人情報保護法(個人情報保護委員会)(令和8年法律第56号。2026年7月17日公布)
- カメラ画像利活用ガイドブック ver3.0(総務省)
- AI 事業者ガイドライン 第1.2版(経済産業省)